大沼屋

■　Story 街はくすんだ屋根を並べ、哀しみに沈んでいる。 古びた街並みを見下ろすような小高い丘の上に、その館は建っていた。 吸血鬼の住む館。 街の者たちは吸血鬼の牙を恐れ、丘には近づこうとしなかった。 この街では月に一度、吸血鬼が選らんだ人間をひとり、生け贄─食料─として館に献上していた。 選ばれたものに拒む権利はない。 街の者たちが「生け贄」の逃亡を許さないからだった。 その昔、「食料」が逃げ出したことに怒った吸血鬼が、次々と街の者たちを血に染めたという。 過去の恐怖が街の者たちを縛り付けている。 そう、選ばれたものは「食料」になるしかないのだ。 ​​それがこの世界の理だった。 マリー(生け贄の女性)視点、ハインリッヒ(男性吸血鬼)視点の両方でプレイ可能なゴシック風恋愛アドベンチャー。 殺す 殺される ――吸血鬼と生け贄の間に それ以外の結末はありうるのか 誰かとの心の触れ合いが 道を切り開いていく 果たしてマリーの愛しい人は ハインリッヒの愛しい人は 誰……?